新聞の勧誘に来た女が「サービスしますので一ヵ月だけでも新聞取ってください!」と言ってきた。そのサービスとは…衝撃の結末が
女「お願いします!」
男「新聞ですか…」
女「読んでいれば共通の話題がたくさん増えますし」
女「自分の関心がいろんな方向に広げられます!」
男「なるほど…」
女「今なら一ヵ月1000円です!」
男「……それは安いですね」
女「そう思いますよね!」
女「月1000円なのは三ヵ月限定なんです。それからは定価の販売になります!」
男「(1000円なら安いような…)」
男「(でもネットで見て済むような内容だろうし…)」
男「すみません。今回は遠慮しておきます」
女「……」
女「そ、そうですか…」グスッ
男「すみません」
女「いえいえ。お忙しい中ありがとうございました」ペコ
バタン
男「(泣いてたな……)」
男「…………」
翌日
ピンポーン
女「すいませーん」
男「!」
女「すいませーん」
男「(……もしかして昨日の人?)」
女「すいませーん!」
男「(断った翌日に来るのかよ…)」
ガチャ
女「こんにちは。新聞一ヵ月の間でもどうですか?サービスしますよ!」
男「……」
男「昨日断りましたよね?」
女「今回は遠慮すると言われましたので!」
男「何を言ってるんですか」
女「そろそろ気持ちが変わったんじゃないかと思いまして」
男「……変わりませんよ」
女「そうとは限りません!」
女「是非この新聞の良さを分かっていただきたいんです!」
男「…………」
男「だから結構です」
バタン
女「……」
翌日
ピンポーン
女「すいませーん!!」
男「……」
男「いやいや…」
男「迷惑すぎるだろ……」
ガチャ
女「おはようございます!」
男「……もう3日連続じゃないですか。いい加減にしてください」
女「新聞取りませんか?他にはない情報がたくさん掲載されていますよ」
男「(通じてないのか……)」
女「一ヵ月でもいいんです!」
男「だから大丈夫です」
バタン
翌日
ピンポーン
女「すいませーん」
女「すいませーん」
女「……?」
女「うーん」
女「留守なのかな」
女「すいませーん」
スタスタ
男「……」
女「!」
女「お出かけだったんですね!」
男「…………まぁそうですけど」
女「どこに行ってたんですか?」
男「……古書店です」
男「というかあなたに関係ないですよね」
ガチャ
女「私も中に入っていいんですかね?」
男「何言ってるんですか。取る気ないんで他の人のところ行ってください」
女「まぁまぁそう言わずに」
男「犯罪です」
バタン
男「いつまで来るつもりなんだ」
男「……もうネタにできるくらいだな」
翌日
ピンポーン
ガチャ
女「はやっ!」
男「…………びっくりしてどうするんですか」
女「勢いよく開けてくれたってことは取る気になったんですね!」
男「違います。宅急便かと思ったんです」
女「そうでしたか」
女「何を注文されてたんですか?」
男「……関係ないですよね」
女「もう5日も通い詰めてるのに!」
男「いやいや他人です」
バタン
女「……」
翌日 夜
男「今回の映画は楽しかったな」
男「ジャンルも好みだったし…」
ピンポーン
女「すいませーん」
男「……」
ガチャ
女「こんばんは!」
男「……」
男「夜にも来るんですね」
女「はい!」
女「お昼に来たときは留守だったので!」
男「ていうか土曜日ですよ今日」
女「はい!」
男「……」
女「今日はどこにお出かけしてたんですか?」
男「個人情報です」
女「こんなかわいい子が聞いてるんですよ!」
男「……」
バタン
女「(今のは閉められてもおかしくないか……)」
翌日
ピンポーン
女「すいませーん」
男「え」
男「日曜まで来るのか…」
ガチャ
女「こんにちは!」
男「……暇なんですか?」
女「そんなことないです!」
女「しっかり仕事中です!」
男「……新聞は取りませんよ」
女「過去そう言ってきた人を何人も契約させてきましたから!」
女「自信はあります!」ドヤッ
男「……」
男「もう諦めてください」
バタン
女「……」
翌日
ピンポーン
女「開けてください!!!」
ガチャ
男「ちょっと」
女「こんにちは!」
男「こんにちはじゃなくて」
男「静かにしてください」
女「……なるほど」
男「ほんとに分かってるんですか?」
女「来ないでくださいではなく静かにしてくださいということは来ること自体は了承してるんですよね!」
男「……」
男「ポジティブですね」
女「はい!」
男「でも取る気はないんで帰ってください」
バタン
女「……」
翌日
ピンポーン
男「……」
男「……」
男「ん?」
男「いつものうるさい声がしないな…」
ガチャ
女「……」
男「……?」
女「……」
女「お願いします……新聞取ってください……」
男「(いつもと雰囲気が違うような…)」
女「今日までに取れないとクビになるんです……」グスッ
女「お願いします……」ペコ
男「そんなこと言われても…」
女「……」
男「最初に来た時も泣いてましたよね」
女「はい…」
女「あの時も……」
女「あの日の内に契約取らないとクビだって言われてて」グスッ
男「…………」
女「その時は違う人にいっぱいいっぱいサービスしたんです」
女「そしたら取ってくれたので助かったんです」グスッ
男「(サービス…)」
女「……」
男「……」
女「……」
男「……」
女「……ふっ」
男「!」
男「今笑いましたね」
女「そ、そんなことないですっ」
男「……」