男「……」スッ
女「それアイマスクですか?」
男「どうでもいいです。はやく脱いでください」
女「すみませんすみません」
男「見られたくないものは洗濯かごの下の方に入れて」
男「それ以外はその上に重ねて置いてください」
男「後で洗濯します」
女「……ぬ、ぬぎました」
男「じゃあこのタオルで身体拭いて」
男「この毛布にくるまっててください」
男「すぐ飲み物持ってきます」
女「……あ、ありがとうございます」
20分後
男「……もうそろそろ大丈夫か」スッ
女「(またアイマスク…)」
男「こっち来てください」
女「は、はい」
……
…
男「指差してる近くにお風呂の照明のスイッチがあるはずなんでそれ付けて入ってください」
女「わかりました…」
男「お風呂はお湯溜めてないのでシャワーだけで我慢してください」
男「バスタオルはバスマットの上に置いてあるの見ましたよね?」
女「は、はい。見ました」
男「それ使ってください」
男「最長20分です。それ以上かかったら中に入ります」
女「!」
男「十分温まれば出てきてください」
男「それから全身拭き終ったら呼んでください」
男「わかりましたか?」
女「……はい」
………
……
…
男「とりあえず服探さないと」
男「ジャージと肌着と…」
男「…………」
男「本だけでも違う部屋に移すか」
20分後
女「そろそろ20分……?」
女「出ていいのかな」
ガチャ
女「バスタオルあった」
女「……」フキフキ
女「……」フキフキ
………
……
…
女「あ、あがりましたー!」
男「了解です」スッ
女「(またアイマスクしてる…)」
男「これ着てください」
女「ありがとうございます」
女「……」ガサゴソ
男「ちょっと待ってください」
女「?」
男「今何をしてるんですか?」
女「あ、あの下着を穿こうと…」
男「ダメです。多分まだ乾いてません」
女「でも…」
男「口答え禁止です」
女「……はい」
男「ジャージは穿きましたか?」
女「はい」
男「じゃあ上はこれです」
女「ヒートテックですか」
男「その偽物です」
女「(暖かい…)」
男「着ましたか?」
女「はい」
男「それからセーター着てください」
女「…ありがとうございます」
男「全部着ましたか?」
女「……はい」
男「……」スッ
女「(やっと外した…)」
女「あ、ありがとうございます」
男「お礼はまだ早いですよ」
女「……?」
男「お風呂で身体洗ってキレイにしたんですよ?」
女「……はい」
男「これから何するかわかりますよね?」
男「大人なんですから」
女「!」
女「……は、はい」ドキドキ
男「どうぞ」
女「…………」
男「早くしてください」
男「まだまだやることはあるんです」
女「…はい」ピチャピチャ
女「(化粧水だった)」
女「(すごい恥ずかしい)」ピチャピチャ
男「(もうかなり回復してきたかな…)」
男「次はドライヤーです」
女「……はい」
………
……
…
10分後
男「ココア飲めます?」
女「……はい」
男「それならどうぞ」
女「ありがとうございます」
男「もう寒くないですか?」
女「はい」
男「……ほんとによかった」
女「………」
女「あ、あの…」
男「なんですか?」
女「ジャージが…」
男「文句ですか?」
女「……すみません。なんでもないです」
男「言ってください」
女「……」
女「ちょっとスースーします…」
男「……」
女「すみません。文句ばっかり言って…」
男「いいんですよ」
男「出かけましょう」
女「!」
女「この格好で……ですか?」
男「貸した服が気に入らないんですか?」
女「そ、そういうわけじゃなくて…」
女「恥ずかしいです…」
男「下着がないからですか?」
女「……」コク
男「自分で声に出して言ってください」
女「……」
女「ブラも着けてないしショーツも穿いてなくて恥ずかしいので行きたくないです…!」
男「そうですか」
女「(あ、あっさり!)」
男「じゃあ洗濯しましょうか」
女「……はい」
男「(言わせる系はもっと興奮するかと思ったけどそんなことないな)」
男「(……いや、ただ俺が幻想抱きすぎてただけか)」
………
……
…
男「使い方わかりましたか?」
女「…はい」
男「……」
女「あの…」
男「?」
女「ありがとうございました」
女「わざわざこんなことまでしていただいて…」
男「……家の前で人が倒れてたらほっとけないですよ」
女「すみません……」
男「まだまだやることは残ってるんですけど」
男「回復したなら経緯を説明してください」
女「…はい」
昨晩
ピチャ
女「雨か…」
女「……」スタスタ
女「家戻ろう……」スタスタ
自室
女「………」グスッ
女「嫌われちゃった…」
女「………」
女「………」
女「謝りに行くのも許してくれないかなぁ…」グスッ
女「どうしよう…」
翌朝
女「すごい雨…」
女「でも行こう」
女「ちゃんと謝りたい。新聞勧誘じゃなくて一人の知り合いとして」
女「…………」
女「きっと怒られるよね。泣かないようにしよう…」
昼 自宅前
女「どうしよう…」
女「そういえば呼び鈴が不快って言ってたよね…」
女「外出てくるの待とうかな」
女「……」
女「寒い……」
夕方 自宅前
女「雨も風もすごい…」
ベキッ
女「あ、折れた……」
女「……家に取りに帰ろうかな」
女「でもその間に出て行ったら……」
女「……どうしようどうしよう」アセアセ
女「寒い…」
………
……
…
女「……うぅ」
女「…………」
女「…………」バタッ