女「……こんな感じです」
男「まず翌日に謝りに行くのがおかしいですね」
女「すみません」
男「来るなって言われた翌日に行く発想がすごいです」
女「すみません……」
男「……」
女「今まで迷惑かけてばかりですみません」
女「面倒くさい女ですみません」
女「来るなって言われたのに来てしまってすみません」
女「見たくもない相手の介抱してくださってすみません。ありがとうございました」
女「このお礼はどんな形でもいいのでさせてほしいです」
女「これ以上関わりたくないならすぐに出て行きます」
女「どんなことをされても文句は言いません」
男「(土下座まで…)」
男「土下座なんてしないでください」
女「でも…」
男「また口答えですか」
女「す、すみません」
男「普通にしててください」
女「……」ポロポロ
男「…………」
男「…………」ギュッ
女「!」
男「抵抗しないでください」
女「……はい」
女「(きっと私抱かれるんだ…!)」
男「……」ギュッ
女「暖かいです…」
男「……」ナデナデ
男「すみません」
男「俺がいけないんです」
男「もっと早く家から出て気が付けばよかったんです」
男「すみません」
男「寒かったですよね…」ギュッ
女「ちっちがいます!」グスッ
女「男さんの悪いところなんてひとつもないです!」ギュッ
男「……すみません。あんな雨の中で待たせてました」
女「わたしがかってにまってただけです」ポロポロ
男「……」
男「迷惑してたのは確かですけど」
男「あんな状態になるのを望んでたわけじゃないんです」
男「……もう心配させないでください」
男「怖かったんです。冷たいし。声も小さかったし」
女「ごめんなさいごめんなさい…」グスッ
男「……」
女「……」ギュッ
男「監視したいくらいです」
女「監視ですか…?」
男「あまりにも危険なんでそうしたいですよ」
女「……そこまで迷惑かけられません」
女「もう私に会うのもきっとイヤだと思います」
男「たしかに勧誘は一生されたくないですね」
女「……そ、そうですよね」
男「……」
男「……」
男「もう十分楽しめました」
女「……?」
男「チャンスだと思ったんです」
男「今までの憂さ晴らしでもしようかと思って…」
男「もちろん体調悪化させるとかいうことはしたくないので違う方向で…」
女「だからお風呂に突撃しようとしたんですか?」
男「結局やるのが怖くてできませんでした」
女「……」
女「じゃあノーブラノーショーツで服を着せたのも…」
男「そうです。ああいうのが好きなんです」
女「!」
男「抱きついたりしてすみませんでした」
男「予定にはなかったんですけどやってしまいました」
女「そうだったんですか…」
女「暖かくて気持ち良かったです」
男「……」
男「……」
男「じゃあ最後に……」
女「?」
男「はい、俺の携帯です」
女「??」
女「なんですか?」
男「通報してください」
男「行き倒れの子を家に運んで脅したんです」
男「捕まって当然です」
女「通報なんてしません!」
男「…………」
男「口答えするんですか?」
女「します!!」
男「!」
女「通報するようなことされてません!」
女「全部うれしかったです!」
女「抱きしめられた時も犯されるんだと思ってました!」
男「そんなことしませんよ」
女「それでもいいと思えるくらいうれしかったんです!」
女「お風呂の時も来るまで待つべきか迷ってました!」
男「……そうだったんですか」
女「今もジャージの下スースーしてますけど男さんの好みならそれでもいいです!」
男「…………」
女「だから…」
女「通報なんてしませんから男さんが好きなことしてください…!」
男「!」
女「恥ずかしくてもそれくらい平気です!」
男「……」
女「ドキドキして暑くなってきました…」
女「セーター脱いでもいいですか?」
男「……寒くならないならいいですよ」
女「……」ヌギヌギ
男「(やばいやばい今まで耐えてたのに…!)」
女「…………」
女「いつの間にか好きになってたんです」
女「押しに弱そうな人なら3日くらい通うこともあるんですけど」
女「契約できそうな気配もないのに男さんのところに行きたくて行きたくて…」グスッ
女「どれだけ追い返されても……契約とかどうでもよくて……」グスッ
女「ただ男さんに会いたくて…!」
女「いつもいつも自分勝手でごめんなさい…」ポロポロ
男「これ以上泣かないでください」
男「そんなに謝らなくても大丈夫です」
男「十分伝わってます」
女「ありがとうございます…」
男「笑ってください」
女「…はい!」
男「(自分でかわいいとか言ってるだけのことはあるな…)」
男「好きって言ってくれてうれしいです」
女「!」
男「今はまだ好きって断言できないですけど一緒にいたいと思うんです」
男「今日これだけの事しておいてわがままなのは分かってます」
男「でももっと知りたいです」
男「ほっとけないっていうのもありますけど」
女「……はい」
女「また泣きそうです…」
男「…………」
男「女さん」
女「!!」
男「俺と……」
女「……」
男「付き合ってくださ」
女「ま、待ってください!!!」
男「!」
女「だめです……」
女「男さんとは付き合えないです…!」
女「男さん優しいから…」
女「責任とって付き合うって言ってくれてるんですよね?」
女「昨日まで顔も見たくないと思ってたはずですし…」
女「ていうかそれは今もですかね、あはは」
男「…………」
女「さっき携帯で通報して、とか言ったくらいですから」
女「付き合う覚悟くらいは男さんならすぐできちゃいそうです!」
男「……」
男「(こんなに鋭いならもう少し上手く新聞勧誘できるんじゃないのか)」
女「今から彼女にしてもらえるように頑張ります!」
男「…………」
女「あと、ドキドキしました」
男「?」
女「さっき初めて名前で呼んでくれましたから」ニコッ
男「……」
男「すみません」
男「中途半端な気持ちで振り回して」
女「そんなことないです」
女「騙すってより優しさで言ってくれたのは分かりますから」
男「……」
女「だから嘘でも告白されたみたいでうれしかったです」
男「(……なんだかすごい罪悪感が)」
男「そうですか…」
女「いつか好きって言わせて見せます!」
男「……」
男「女さんならすぐ達成できそうです」
女「ふふ、ほんとですか?」
女「お世辞でもうれしいです」
女「あの…」
男「?」
女「ちょっと恥ずかしいことさせたりしたのって…」
女「憂さ晴らしが目的だったんですよね?」
男「……まぁ一応」
女「その最中は…」
女「少しくらいは興奮しました?」
男「…………」
男「……軽蔑されそうですけど一応男なんで」
女「じゃあ今誘惑しても興奮しますか…?」
男「……多分。というか絶対」
女「…………」
女「服の上からさわってみます?」
男「!」
男「え、今からですか…」
女「はやく好きになってもらいたいので今すぐ頑張りたいです!」
男「強引さはこの状況でも変わらないんですね」
女「……だ、だめですか?」
男「新聞勧誘じゃないならイヤじゃないですよ」
女「よかったぁ」
男「(むしろ歓迎)」
女「……」
女「近くで見てみます?」
男「……は、はい」
女「近くだと透けて…」
男「……」ドキドキ
女「んっ…」
女「(吐息が…)」
女「手貸してください」
男「……いいんですか」
女「どこがいいですか?」
男「(どうしようどうしよう)」
女「キスでもいいですよ」
女「それか…」
女「私が触った方がいいですか?」
男「(どうしようどうしよう)」
女「焦らさないで早く決めてください…」
ピーーーーーーーーーーーー!!!!!
男・女「!?」