翌日 放課後 図書室 (水)(7/8)
女「(今日のテストあんまりできなかったなぁ…)」
女「(せっかく勉強会開いたのに)」
女「(……明日の教科の勉強しなきゃ)」
……
…
女「(ん……この声、女友ちゃんも来てるのかな)」
女友「いやぁ…ほんと助かる」
男「そう?」
女友「だって明日の物理わけわかんないから」
女「!」
女「(な、なんで…!)」
女「(いや別に…私に知らせる必要なんて…ないけどさ…)」
男「とりあえず…どこの範囲が苦手?」
女友「全部」
男「間に合いません」
女友「なんと」
男「ヤマ張るしかないな」
女友「ありがとー」
男「約束だから」
……
…
女「(約束…そんなに仲良かったの…?)」
女「(漫画とか二人とも好きって言ってたっけ…)」
女「(うん…)」
女「…………」
女「(家で勉強しよう…)」ガサゴソ
深夜 女宅
女「…………」
女「…………」
女「勉強進まない…」
女「はぁ…」
女「罰ゲームきつい」
女「…………」
女「…………」
女「はやく…」
女「はやくデートしたいよ」
女「…………」
女「ちょっと仮眠取ろうかな」
……
…
翌日 明け方 (木)(7/9)
女「……」ゴシゴシ
女「……3時」
女「起きられただけマシかな」
女「……ねむい」
女「コーヒー買いに行こ」ポスッ
……
…
コンビニ
男「セー」
女「!」
男「あ、お、女さん…!」
女「な、なんでっ…」
女「えと、あの、お、おじゃましました…!」
男「ま、待って!」ガシッ
女「……」
女「腕痛いよ…」
男「ご、ごめん」
女「……」サスサス
女「ここで、働いてたんだ…」
女「知らなかった」
男「…うん。2時から6時まで」
女「えらいね、こんな時間に働いてて勉強もできて…」
男「そんなこと…」
女「私は賢くないから」
男「俺の教え方が良くなかったんだよきっと」
女「違うよ…」
女「今日…じゃない。昨日勉強会してくれなかったからだよ」
男「(目撃はしてたのか…)」
男「(……ダメだ。我慢の期間だけど、もう限界)」
男「今日、放課後にやろうか」
女「勉強会?」
男「うん」
女「……ありがと」
女「(そうだ…あの時のお返し…)」
女「…………」
女「これください」スッ
男「ありがとうございます」
女「ふふ。いつもの感じでやっていいよ」
男「……アリザース」ピッピッ
女「変なの」
男「なんだと。消費税300%にしてやんよ」
女「できないくせに」チャリン
女「……はい。こっちのコーヒーあげる」
男「ま、まじで?」
女「じゃあいらない?」
男「欲しい!」
女「……今日ちゃんと教えてね」
男「わかった」
女「…………」
男「やっぱ似合ってるな」
女「この帽子?」
男「うん」
女「全部褒めてたくせに」
男「本気でそう思ったから仕方ない」
女「(ほんとかなぁ)」
女「じゃあね。私そろそろ帰って勉強しなきゃ」
男「わかった」
女「(はやく言わないと……)」
女「ねぇ」
男「ん?」
女「こんな時間に会ったのは偶然だね」
男「え、うん…」
男「そうだな」
女「いっぱいしゃべったよね?」
男「…………」
男「……しゃべり足りないくらい」
女「そっか」
男「…………」
女「ねぇ…」
男「…………」
女「これ、デートだよね…?」
男「!」
男「……も、もちろん」
女「…………」
男「…………」
女「そっか」
女「デートだよね」
男「…………」
女「…………」
男「…………」
女「…………」
男「女さん」
女「なに?」
男「好きだ」
女「…………」
女「……ありがと」
……
…
女宅
女「…………」
女「(ほんとに無理矢理だけど…)」
女「(4回目のデートが終わった)」
女「(だから、今日の勉強会が最後のデート…)」
女「…………」
女「なのに…」
女「それなのに…!」
女「…………」
女「すき、だって…」
女「何それ…」
女「いきなりそんなこと言わないで…」
女「…………」
女「…………」ゴクン
女「……なんか、コーヒーの味もわかんないよ」グスッ
女「…………」
女「(今までもたくさんひどいことしてきたけど…)」
女「(次のデートで終わりにするから…)」
女「…………」
女「…………」グスッ
女「(全部終わった後にどれだけ嫌われても……ずっと恨まれてもいい……)」
女「…………」
女「(最後の自分勝手を…)」
………
……
…
女「よし…」
女「…………」カチカチ
朝 男宅
妹「ううん。私は責められないよ」
妹「4回目のデートを勢いで誘っちゃって」
妹「それが5回目のデートになっちゃって」
妹「さらに、何の脈絡もなく深夜のコンビニで愛を伝えたことなんて…」
妹「だから、弱気になんないで」
男「今日が最後だと思うと…」
妹「……」スパーン
男「いたっ」
妹「雰囲気が良かったなら奇跡的に惚れてる可能性もある」
男「うひょー!」
ピリリリ
男「…………」カチ
女『おはよ。今日の勉強会だけどさ、やっぱり中止にしたいんだけどいいかな?』
妹「……まだ勝ちの目は有りそうね」
妹「まぁ普通にドタキャンの可能性もあるけど」
男「たしかに」
妹「じゃあまずは…」
男「…ちょっといいか?」
妹「ん?」
男「前に話したことだけど」
妹「……あー」
男「これからは一人でがんばるからさ」
男「今までも頼りすぎてたし、今更って感じもするけど」
妹「いや、そんなことないよ」
妹「実践してきたのは兄ちゃんだし」
男「ありがとう」
妹「それに…」
妹「師匠からの独り立ちも名シーンのひとつだし」
男「(まぁ弟子みたいな立ち位置だったな)」
学校
女「女友ちゃん」
女友「……どしたの」
女「後でどれだけ笑ってくれてもいいから」
女「罰ゲームのことはちょっとの間だけ忘れて」
女友「……わかった」
女「ありがと」
女友「(私が発端なのにどんどん蚊帳の外に追いやられてるような)」
……
…
女「……ごめんね」
女「誘ってもらったのに急に無理なんて言っちゃって」
男「ううん。俺もあんな時に言ったんだし」
女「バイトってね」
女「どれくらい入ってるの?」
女「週3くらい?」
男「週4だな。月火木土の早朝で固定シフト」
女「(月火木土で固定…)」
女「……そうなんだ」
女「今度はドタキャンしないからさ」
男「…………」
女「日曜日にデートしたいな」
男「…………」
女「月曜日のバイトって交代するの難しいのかな?」
男「……なんとかする」
男「その代わり、あの帽子被ってきてよ。ちゃんと見たい」
女「コンビニで見てたのに?」
男「あの時は緊張してて」
女「……よくわかんないけど、わかった」
男「よしっ!」
翌日 夕方 男宅 (金)(7/10)
妹「で、日曜にデートが決まったんだ」
男「そうだな」
妹「最終決戦だね」
男「最終にはしたくないんだけど」
妹「うん」
妹「応援してるから」
妹「(月曜日のシフト変更を頼んだってことは…)」
妹「(夜遅くまでデートをしたいって捉えていいはず)」
妹「…………」
妹「(あんまり良い予感がしないけど……)」
妹「(ただの杞憂であってほしい)」
妹「…………」
妹「(私もそろそろ動かなきゃ)」
翌日 夕方 女宅 (土)(7/11)
女「明日で5回目のデート…」
女「短いのか長いのか、よくわかんなかったけど」
女「…………」
女「…………」
女「(最後の自分勝手を…)」
女「(どうか明日だけは、許して)」
女『明日の集合、駅前でいいかな?』カチカチ
男『うん。何時にしようか?』
女「相変わらず返信早いなぁ…」
女『ちょっと早くても大丈夫?』
男『もちろん。12時くらい?』
女『まだまだ』
男『11時?』
女『もう一声』
男『2時』
女『夜中だよ』
男『俺はそれでもいい』
女『じゃあ間を取って8時にしよう』
男『どこの間か分からんが、了解』
女「ふぅ…」
女「…………」
女「明日は、どんな服で行こうかな」
………
……
…
男「(……デートコースはすでに決まってるのか)」
男「(どこでも楽しみだけど、気合入れないと)」
翌日 駅前 デート 5回目 (日)(7/12)
女「おはよ」
男「……おはよう」
女「なんか眠たそう」
男「昨日楽しみすぎて寝れなかった」
女「ほんとに?」
男「もちろん」
女「そうなんだ」
女「うれしいな」ニコニコ
男「……かわいい」
男「すごいかわいい」
男「キャップも似合ってる」
女「……」
男「もしかして褒め過ぎた?」
女「……恥ずかしいよ」
……
…
水族館
女「ついたー」
男「ここの水族館来たの初めてだ」
女「そっか」
女「……ってか髪切ってたんだね」
女「もしゃった髪が解消されてる」
男「もしゃ?」
女「いいのいいの」
男「女さんも髪切ったよね」
女「これは、結び方変えただけ」
男「うわぁ、盛大に外した」
女「博打じゃないんだから」
男「すいません」
女「昨日もメールしたけど、デートコースは全部考えてきたから」
男「すごい嬉しい!」
女「うむ。感謝してよいぞ」
男「……そんなキャラだっけ」
女「気分的にね」
男「ひょえー」
女「……そんなキャラなの?」
男「俺はずっとこんな感じだよ」
女「ひょえー」
男「バカにしてるな」
女「真似したくなったの」
男「なるほど」
女「そういや全然魚見てないね」
男「さかなって」
男「風情がなさすぎる」
女「それは申し訳ない」
男「適当だな」
女「あ、ラッコ」
男「ほんとだ、かわいいな」
女「しかも手繋いでる!」
男「うお、すげぇ」
女「かわいい…」
男「…………」
男「あんな風に…」
女「ん?」
男「……向こうはアシカだ」スタスタ
女「(手、繋ぎたかったのかな…)」
女「(でも、今日は…)」
女「ひょ、ひょえー」
男「たぶんだけど、使い方間違ってると思う」